取引先からの暴言や時間外にかかる電話への対応って、カスタマーハラスメント?

企業間(BtoB)のカスタマーハラスメント(カスハラ)とは

「カスハラって一般消費者から企業への悪質なクレームだろ?うちは企業間取引だから関係ない!」と思っていませんか?

カスハラの加害者は、一般消費者だけではありません。

企業間取引においても、取引先の担当者が過度な要求や威圧的な態度を取る行為がカスハラに該当します。例えば、「なめてるのか!」「死ぬ気でやれ!」などと大声で怒鳴られたり、威圧的な文言のメールが送られてきたり、深夜や休日に関わらず電話がかかってきたりする行為は、精神的に追い詰められるカスハラ行為です。以下は企業間のカスハラの典型的な事例です。 

1.過度な要求

 取引先が不合理な納期や価格の引き下げを強く要求し、従わないと嫌がらせや脅しをする行為。 

2.業務時間外の過度な連絡

 取引先が業務時間外に頻繁に担当者の携帯にメールを送ったり、電話をかけてきて担当者のプライベート時間を侵害する行為。 

3.担当者への個人的な攻撃

 取引先が担当者個人を名指しして批判したり、人格を攻撃する行為。 

4.セクシュアルハラスメント

 取引先が担当者個人に対して、性的な発言や不適切な接触を行うケース。 

5.一方的なキャンセルや変更の要求

 事前の合意なく、取引の条件や日程を急に変更する行為。 

企業間のカスハラの特徴はわかりにくさ

 取引先の企業が取引関係上優位に立っている場合、その力関係を利用して過度な要求を行うことがあり、受託企業は反論しにくくなります。これにより、不適切な要求が見過ごされるリスクが高まります。また、経営安定のために取引先との継続的な関係維持を優先すると、カスハラも継続的に受け続けることになります。さらに、契約外要求への対応では、「これぐらい、○○さんの力でできるでしょう!」と言われると寛容に対応することが多くなりがちです。しかし、その寛容さが繰り返されることで、ハラスメント行為が常態化するリスクがあります。例えば、契約にない特別な対応やサービスを要求されることが増えると、それがカスハラ行為に発展することもあります。 

企業間のカスハラが企業に与える影響は深刻

  企業間のカスハラは、従業員の精神的負担や企業の業務効率に深刻な影響を与えます。具体的なリスクは、従業員のストレス増加、取引関係の悪化、企業イメージの低下です。

 業務時間外の対応や過度な要求により、従業員のストレスが増大し、生産性が低下させる過度な要求が続くと、信頼関係が崩壊し、最終的には取引が中止されるリスクも高まります。 また、最近では、企業間のカスハラで加害者及びその使用者の法的責任を認めた事例も注目されています。カスハラの放置は、被害側企業だけでなく、加害者側になる危険性が高まります。自社の従業員によるカスハラ(人権侵害行為)が、裁判等になれば、加害者側企業に生じるダメージは予想を超える大きなものになります。ビジネスと人権の重要性が求められている中、人権侵害を行っている企業とは取引をしないという流れが加速してますので、他の取引先との関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。 

企業間のカスハラの対策は、企業としてのカスハラ防止対策の策定と周知から

 カスハラ対策は自社の社員が「被害者」になることを防止するだけでなく、「加害者」にならないようにすることも大事です。企業間のカスハラを防ぐためには、次の対策が有効です。 

  1. カスハラ防止対策の策定と周知

 まず、企業としてカスハラ防止対策を策定し、これを従業員だけでなく取引先にも周知します。ポスターやカードの配布も効果的です。

 2.明確な契約条件の設定

 取引先との契約において、カスハラ行為に対する対応方針を明記し、過度な要求に対する拒否の権利を明確にすることが重要です。 

3.従業員研修

 カスハラ行為を早期に察知し、適切に対処するための教育や報告手順を学ばせ、いざというとき適切に対応できるようにします。 また、自社の従業員が加害者とならないように、社外での言動についても「人権」を尊重しなければならない旨、研修等で周知啓発を図っていきます。

4.相談窓口の設置

 社内や社外で相談できる窓口を設けることが必要です。 

5.外部専門家の活用

 SRCハラスメント防止センターではカスハラ対策をご提案しております。従業員を守るためにも適切に対応できる体制を整えましょう。 

カスハラは人権侵害行為!対策はビジネスと人権の視点から

 カスハラは人権侵害行為です。企業間のカスハラは、ビジネス上の問題にとどまらず、従業員の人権や企業の信頼性にも大きな影響を及ぼします。企業は、従業員を守るだけでなく、取引先との関係においても人権尊重の姿勢を明確にし、適切なビジネス環境を維持する責任があります。長期的な信頼関係を築くためには、毅然とした対応が不可欠です。カスハラ防止対策は、SRCハラスメントセンターにお任せください。 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。