承認とコミュニケーションで築くハラスメントのない職場

職場では、世代間のギャップや価値観の違いがしばしば問題視されます。「昔と今は違う」との声が聞かれますが、人が成長するために必要な要素は、昔も今も変わらないのではないでしょうか。特に、指導方法やコミュニケーションのスタイルは、時代によって変化しているものの、人が学び成長するプロセスそのものは昔も今も変わりません。

指導者と部下の双方向性

これまでの指導方法は、上司から部下への一方通行のコミュニケーションが中心でした。しかし、いまは双方向のコミュニケーションが求められています。部下が自らの意見を述べる機会があり、上司がそれに耳を傾けて対話することで、信頼関係が築かれ、成長が促されます。この双方向性は、特に若い世代において重要とされます。なぜなら自分の意見や価値観を大切にし、積極的に発信すること、そしてそれを認めてもらうことを求めているからです。

例えば、部下が新しいプロジェクトに対して「こうした方が良いのではと思います」と提案した場合、上司はたとえ突飛だと思ったとしても、その意見を尊重し、共に考える姿勢を示すことが重要です。これは、部下の自信を高め、今後の主体的な行動につながります。また、双方向のコミュニケーションを実践することで、ハラスメントが起こりにくい環境を作ることができます。

承認の重要性

山本五十六の名言「ほめてやらねば、人は動かじ」にもあるように、承認は人材育成において非常に重要です。部下が努力した結果や良い点をしっかりと認めることで、彼らのモチベーションを高めることができます。例えば、新人が初めて顧客対応したとき、ミスを指摘するだけでは自信を失います。「最初の挨拶がしっかりできていたね。真剣さは伝わっていた」など良い点を伝えたうえで、「次はこうするともっと良くなる」とアドバイスすれば前向きに成長できるでしょう。

逆ハラスメントの防止

また、近年注目されているのが「逆ハラスメント」です。部下からの不適切な要求や圧力が問題視されることもあります。これに対して、上司はどのように対応すべきでしょうか。
まず、部下からの意見や負の感情に対して真摯に向き合うことです。部下が不満を抱えている場合、その原因を理解し、適切なコミュニケーションを図ることで、糸口が見つかります。例えば、部下が「もっと自由に意見を言わせてほしい」と感じている場合、上司は「意見を言うことは大切だ」と認めて意見交換の場を設けることで、部下の不満を解消できます。

心理的安全性の確保

指導においては、心理的安全性を確保することが不可欠です。安心して意見を述べられる環境を整えることです。具体的には、定期的な意見交換の場を設け、フィードバックしたり、部下が自分の意見を自由に話せたりする機会を作ることが必要でしょう。
このような環境を整えることは逆ハラスメントの防止にもつながります。

まとめ

部下や後輩が安心して学び、力を発揮できる環境をつくることは、80年前の山本五十六の時代から変わらぬリーダーの役割です。
あなたの職場では、どのような指導が行われていますか?今一度、部下とのコミュニケーションを見直してみてはいかがでしょうか。

著者:SRCパートナーコンサルタント 良玄 正寿美

社会保険労務士
産業カウンセラー
キャリアコンサルタント

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