飲み会トラブルをゼロに!アルコールハラスメントを防ぐコツ
娘のひと言から考えた、飲み会のあり方
今年の春、娘が社会人になる準備をしている中で、「私、お酒弱いから、飲み会とか大丈夫かな」と心配そうに話してくれました。就職後はお酒を飲む機会も増えるかもしれないし、親としてはどうしても気になってしまいますよね。職場の飲み会は、交流を深める場として大切にされる一方で、無意識のうちにアルコールハラスメント(アルハラ)が起きてしまうこともあります。若い世代のアルコール離れが言われて久しいですが、飲み会が誰にとっても楽しく安心できる場であるように、アルハラを防ぐための取り組みを考えてみたいと思います。
職場で起こり得るアルコールハラスメント事例
飲酒のペースを強要
飲み会で「まだ全然飲んでないじゃないか」「もっと早く飲め」とペースを強制される場面。これがプレッシャーとなり、体調を崩したり飲み過ぎにつながるケースがあります。
アルコールを絡めた上下関係の強要
上司や先輩から「自分のグラスが空いたら注ぎなさい」と言われたり、乾杯時に「上司より先に飲むな」と指示されたりする場面。上下関係を強調することで、部下や後輩に精神的負担を与えることがあります。
セクハラにつながる発言や行為
飲み会の席で「酔った勢い」と称して、部下に不適切な身体的接触をしたり、外見やプライベートな話題についてセクシャルな発言を繰り返すケース。これにより、被害を受けた社員が社内のだれにも会社に相談することなく転職してしまうケースもあります。
アルコールハラスメントを防ぐ3つのコツ
飲酒ペースは本人に任せ、ソフトドリンクを選びやすくする
飲むペースや量はあくまで個人の自由。飲酒をしない選択肢を尊重し、ソフトドリンクやノンアル飲料を十分に用意することで、誰もが気軽に参加できる雰囲気を作りましょう。「飲まない人も安心して楽しめる」場が理想です。
上下関係を利用した強制を避ける
飲み会で「上司のグラスが空いたら注げ」といった暗黙のルールをなくします。代わりに、誰もが対等に楽しめる場を目指しましょう。「セルフで注ぐ文化」も有効です。
「酔った勢い」を言い訳にしないために
飲み会の場では、発言や行動が思わぬセクハラにつながることも。酔った勢いでの失敗談は、翌日の「笑い話」では済まされません。特にリーダーや幹部社員は、飲み会のお手本になるくらいのスマートな振る舞いを心がけたいものです。
交流を楽しむための小さな気遣い
職場の飲み会は、みんながリラックスして交流を楽しむための大切な時間です。でも、誰かが無理をしていたり、不安を抱えている場では、本来の良さを活かせませんよね。
アルハラを防ぐためのちょっとした配慮があれば、誰もが安心して参加できる飲み会に変わります。例えば、「飲むペースはそれぞれでいいよ」と一声かけたり、ノンアル飲料を忘れずに用意したりすることは大事ですね。
小さな心遣いが、職場の雰囲気をぐっと良くしてくれるはずです。お酒が得意な人もそうでない人も、気軽に「また飲み会で会いましょう!」と言える関係を目指して、できることから始めてみませんか?
著者:SRCパートナーコンサルタント 上野 雅子

略歴
山口県出身。
2022年 新宿区にsemina社会保険労務士事務所開業。
同年 産業カウンセラー登録。健康経営エキスパートアドバイザー認定。
保有資格
- 社会保険労務士
- 産業カウンセラー
- ハラスメント防止コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 第2種衛生管理者