第22回 正準会員勉強会「2回目以降のハラスメント防止研修」

1.概要

テーマ2回目以降のハラスメント防止研修
日時2026年6月15日 16:00~17:00
ファシリテーター/レポーター李(正会員/共同代表)
記事作成李(正会員/共同代表)

2.内容

今回の勉強会では、「二回目以降のハラスメント防止研修をどう設計するか」をテーマに、社労士として企業からの依頼にどう応えるかを具体的に検討しました。
想定ケースとして、前年に法律知識中心の全社員一斉二時間研修を実施したものの満足度が低く、「今年は別のやり方を」と相談された状況が共有され、参加者はそこから対象者設定やゴール設定をどのように見直すかを議論しました。

まず、管理職と一般職を分けるか、全社員で実施するか、年度を分けて階層別に行うかといった対象者の切り方が論点となり、会社の意向や職場の状況、予算・時間との兼ね合いの中で組み立て方を考える必要がある点が確認されました。
そのうえで、「昨年どんな研修だったのか」「アンケートではどこが不評だったのか」「会社は研修を義務的なものと見ているのか、職場づくりの一環と見ているのか」「この一年でどのようなトラブルや相談があったのか」といったヒアリング項目を整理し、社労士側が事前に聞き取るべき情報の枠組みが共有されました。

内容面では、法令や定義の説明だけでは「きれいだが自分ごとではない研修」になりやすいため、現場に近い事例やグレーゾーンの場面を使いながら、一般論と具体的な職場状況とを行き来できる構成が必要だという意見が多く出ました。

また、アンガーマネジメントやアサーティブ・コミュニケーションのチェックリスト、個人ワークとグループワークを組み合わせた自分ごと化の手法、全員に発言機会を保障する進め方、研修冒頭で社長からメッセージを出してもらう工夫など、各参加者の実務的なノウハウが紹介され、「会社のスタンス」「職場の課題」「受講者属性」を踏まえて二回目以降の研修を設計するための具体的な視点が共有されました。

参加者の発言より

前回研修の振り返りとアンケートの扱い

前回依頼していた研修会社がどのような内容を行っていたのかを、資料やアンケート結果も含めて確認しておきたい。満足度が低かった要因がどこにあったのかを押さえないと、同じような研修を繰り返してしまう不安がある。

ヒアリングで確認しておきたいこと

今年の研修で何を目指しているのか、会社としてどこまでをゴールと考えているのかを、打ち合わせの段階でできるだけ具体的に聞き取りたい。会社がハラスメント研修を「毎年やらなければならない義務的なもの」と捉えているのか、「職場づくりの一環」として位置付けているのかで、設計の仕方が大きく変わると感じている。

会社のスタンスと社労士としての受託判断

アンケートの満足度だけを基準に講師を次々と変えてしまうようなスタンスだと、社労士としては引き受けにくい面もある。経営陣がハラスメント防止を経営課題のひとつとしてどう位置付けるのかを、最初に確認しておきたい。

自分ごと化につながるワークの工夫

自分ごととして考えてもらうために、アンガーマネジメントやアサーティブ・コミュニケーションのチェックリストを使った個人ワークを取り入れている。自分に当てはまる項目をチェックしてもらい、一定以上の数になれば「要注意」という目安を示すことで、思っていた以上にセクハラになり得る言動が多いと気づく人もいる。

個人ワークとグループワークの組み合わせ

チェック結果を個人だけで留めず、グループ内で「意外な結果だったか」「どこが気になったか」をシェアしてもらうようにしている。話を聞くだけでなく、手を動かし、人と話し合うプロセスを繰り返すことで、自分の価値観やコミュニケーションの癖を客観的に見直しやすくなると感じている。

全員が話す場をつくる工夫

全社員研修では、立場の強い人ばかりが話してしまうことが多いため、一人30秒ずつ話す時間をタイマーで区切るようにしている。グループ内で番号を振り、「進行役」と「発表者役」を順番に担当してもらうことで、誰か一人だけが役割を背負い続けないようにしている。

社長メッセージの位置付け

研修の冒頭で、社長から「これは仕事の一環であり、職場環境を良くするための大事な時間である」というメッセージを必ず出してもらうよう依頼している。忙しい中で仕事の手を止めて集まっている意味や、講師に費用をかけていることをトップ自らが伝えることで、受講姿勢が大きく変わると感じている。

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