第21回正準会員勉強会 生成AI実務活用術

1.概要
| テーマ | 生成AI 実務活用術 〜AIと協創する社労士の新しい実務スタイル〜 |
| 日時 | 2026年4月24日 16:00~17:00 |
| ファシリテーター/レポーター | 朴(正会員) |
| 記事作成 | 李(正会員/共同代表) |
2.レポートの概要
今回のテーマは「生成AI実務活用術」であり、ハラスメント対応に関わる専門職が、生成AIをどのように日常業務のなかで活用できるかを、実際にツールを動かしながら検討する回となりました。
冒頭では、生成AIのアウトプットの質は「AIの性能」と「プロンプトの質」の掛け算で決まるというシンプルな考え方が示されました。
参加者がコントロールできるのは「プロンプトの質」であり、特定ツールの性能競争を追い続けるよりも、「どのツールを使っても一定レベルのアウトプットを引き出せるプロンプト設計力」を磨くことの方が、実務家にとっては再現性が高いという前提が共有されました。
そのうえで、プロンプト作成の基本として「ロール定義」「目的」「作業指示」という三つの要素を明確に書き分けるフレームが紹介されました。
単に「パワハラ研修の事例を作ってください」と指示するのではなく、「中小企業の労務管理に詳しい社会保険労務士」「グレーゾーンのパワハラを題材にした研修用ケーススタディを作成したい」といったロールや目的を明示し、さらに「対象者の属性」「職種・業種」「事例の長さ」「出力形式」などを具体的に指定することで、研修や顧問業務でそのまま使いやすい形に近づけていけることが説明されました。
ワーク1では、事前配布されたプロンプト集を使い、参加者がそれぞれ自分の生成AIツールに「研修用ケーススタディ作成」のプロンプトを投げてみる演習を行いました。
建設業のベテラン管理職向け事例など、実務で扱っているテーマに近い条件を設定した参加者からは、「アジェンダやメッセージの骨組みとしては十分に使える」という声もあがり、出力結果を画面共有しながら、そのまま使う部分と修正・削除したい部分を具体的に確認していきました。
ワーク2では、ハラスメント相談における「加害者」「被害者」それぞれの言い分を入力し、第三者の専門家というロールを与えた生成AIに対して、両者の心理・価値観・職場要因の整理と、感情的対立を和らげるための「言い換え」や「共通言語」の提案をさせるプロンプトを試しました。
AIが提示する「背景にありそうな感情」や「両者の共通点」「対話を始めるときの言葉の選び方」は、相談場面の見立て整理や、研修でのグループディスカッション素材として応用可能であることが確認されました。
全体として、生成AIはハラスメント対応実務において「高速にたたき台を出してくれる存在」であり、その質を左右するのはプロンプト設計と専門家自身の編集・検証である、という理解が共有された勉強会でした。
3.参加者の発言より
- グレーゾーンを見極める力を養う内容で、対象は建設業のベテラン管理職、テーマは孤立化や情報遮断ということで、ちょうど自分が今担当している話と重なっていて、非常にリアルだと感じました。
- スライド自体はこのまますぐには使えなさそうですが、内容としては編集すれば十分使えそうだと感じました。
- 最初からプロンプトをきっちり作り込んで、一発で完璧なものを出そうとしてもうまくいかないことが多いです。人間のアシスタントに頼むような感覚で、まず叩き台を出してもらい、ここを変えて、ここに根拠を足して、と少しずつ修正を重ねる形で使っています。
- 時間はそれなりにかかりますが、自分で一から作るよりは整ったものが出ますし、自分の発想では出てこないパターンを挙げてもらえるのが助かっています。
- 人間のアシスタントに同じことを10回やり直してもらったらパワハラになってしまいますが、AIなら何十回でもやり直しを頼めるので、その点はとても使いやすいです。
- 展開が早く、情報量も多くて消化し切れていない部分はありますが、とても参考になりました。特にホームページ用のQ&Aの作り方は、自分がリクエストしたテーマでもあり、こう作ればいいのかと具体的なイメージが湧きました。
- 私はほとんどAIを使っておらず、ヘビーユーザーの皆さんとは違って、まだユーザーと言える段階でもありません。ただ、プロンプトが大事だということを再認識できましたし、今日のプロンプトの考え方・作り方は、これから活用を広げていくうえで参考になりました。
- AI初心者で、週に1回使うかどうかという程度ですが、今日の話を聞いて、今後ちゃんと使っていこうという気持ちが強くなりました。
- 有料の課金はしておらず、月額2,000〜3,000円程度だと聞いていますが、その投資額に比べると得られるものは大きいと感じます。今後値上げされる可能性もあるという話もありましたので、早めに始めるのも一つの選択肢だと思いました。
- 今日の勉強会で、こんなに便利なんだということが分かりました。今後使っていきたいと思う一方で、初心者としては、どこから手をつければよいのかという迷いもあります。

