第18回 正準会員勉強会「カスタマーハラスメントの実務対応」
1.概要
| テーマ | 「カスタマーハラスメントの実務対応」 |
| 日時 | 2025年10月27日 16:00~17:00 |
| ファシリテーター/レポーター | 谷口(正会員) |
| 記事作成 | 李(正会員/共同代表) |
2.レポートの概要

「カスタマーハラスメント(カスハラ)への実務対応」をテーマに勉強会を行いました。
航空会社や小売業などの事例スライドを共有しながら、利用者からの行き過ぎた要求やクレームに対して、企業がどこまで対応すべきか、どこから「NO」を示すべきかを議論しました。
レポーターの谷口さんからは、ANA・JAL の対応事例や、社内外に向けた「STOP カスハラ」のメッセージづくりが特に印象的だったとの報告がありました。 単に現場の我慢で対応するのではなく、経営層のコミットメントや社内ルール整備、社外への発信をセットで行うことの重要性が強調されました。
3.参加者からの意見・現場の課題感
- カスタマーハラスメントへの対応方針を社内で明文化しないと、現場任せになってしまうと感じた。
- 「お客様だから仕方ない」という意識が、従業員を追い詰める一因になっているという指摘に共感した。
- 取引先や行政担当者からの過度な要求も、実質的にはカスハラに近いケースがあり、線引きが難しいと感じている。
- 相談窓口にはパワハラとして相談が上がるが、実はその背景にカスハラが潜んでいる事案もありそうだと気付いた。
- ANA・JAL の事例のように、トップメッセージと社内外への発信をセットで行うことが、現場を守るうえで重要だと学んだ。
- 対応マニュアルだけでなく、「ここまで来たら対応を打ち切ってよい」という具体的なライン設定が必要だと感じた。
- 一人ひとりの担当者に我慢を強いるのではなく、組織として引き取る仕組み(エスカレーションフロー)が不可欠だと実感した。
- ハラスメント研修の中で、カスハラをきちんと扱う機会はまだ少なく、今後コンテンツを充実させたいと思った。
- 現場の体験談を集めて共有することで、従業員同士が「自分だけではない」と安心できる環境づくりが大事だと感じた。
- 社労士としても、就業規則やハラスメント規程にカスハラの考え方をどう落とし込むか、クライアントと一緒に考える必要性を再認識した。


