ハラスメントのない組織づくりはトップメッセージとコミュニケーション

パワーハラスメント防止法が中小企業にも義務になって1年がたとうとしています。これまで表に出て来なかったハラスメントの事実が明るみになることも珍しくなくなりました。当事者が公表しないこともありますので、このように発覚するハラスメントは氷山の一角です。
組織風土を一掃し、仕事の生産性をあげるため、ハラスメントの予防と撲滅に真剣に取り組んでいきましょう。

1.トップメッセージの重要性

まず、組織風土を変えていくため、ハラスメントをなくすというトップの強い意思表示が必要です。何が何でもなくすという姿勢を明確にします。
実際、Uber、Google、国内大手企業でもトップがハラスメント問題に真剣に取り組む姿勢を示すためにトップメッセージを発信した上で、取り組みを開始しています。
社員全員にハラスメント研修を実施するなども有効な方法で、ある行動内容に対してハラスメントかそうでないかについて、共通認識をもってもらうことが大事です。

2.世代間ギャップと価値観

自分の価値観だけが正しいのではなく、社員全員がそれぞれ自分の価値観を持っていることを理解します。多様性や世代間ギャップも問題になりやすい。
生まれながらにインターネットやスマートフォンを使いこなし、インターネット上の発信力もあるデジタルネイティブ世代と社会人になってデジタルに触れた世代、戦後や高度成長期を知っている世代と低成長期世代では、環境も考え方も全く異なります。違いを尊重し、お互いに理解し受け入れることがハラスメント抑制のカギになります。
コロナ期には難しかった対話もこれからは重要な要素となりそうです。,

3.相談しやすい環境づくり

風通しの面からは、ハラスメントが起こった時に報告しやすいよう相談窓口を設けることも効果的です。組織内で対応が難しい場合は、外部相談窓口も検討するとよいでしょう。いつでも相談できる環境は安心感を生み、組織に対する信頼度がアップします。社員の定着にもつながるでしょう。

4.笑顔とあいさつのコミュニケーション

組織内のコミュニケーションもハラスメント防止に効果的です。
コミュニケーションには様々な要素がありますが、基本は挨拶と笑顔です。笑顔はコミュニケーションで一番の潤滑油です。これも習慣、一種のスキルです。笑顔力アップ研修などもコミュニケーションづくりに一役買ってくれます。
自分の素の表情に改めて向き合ってみることが必要です。
というのは、自分が考えている以上に周りから見えている表情は、真剣になればなるほど怖いという結果が出ているからです。
あいさつも基本中の基本です。
あいさつが返ってこない職場はハラスメントの恐れがあると言われるほど、あいさつは重要です。
明るい声で上司からあいさつしましょう。
職場の雰囲気がぐっと上がるはずです。

ハラスメントを一掃するためには、トップメッセージとコミュニケーションが欠かせません。
仕事の生産性を上げ、業績アップを目指すためにも、ハラスメントの予防と撲滅に真剣に取り組んでいきましょう。

著者:SRCパートナーコンサルタント 良玄 正寿美

社会保険労務士
産業カウンセラー
キャリアコンサルタント

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