パワハラ防止対策に不可欠な「Big-Why」(真の目的)を探すには
パワハラ防止対策に取り組む目的とは
2020年6月1日(中小企業は、2022年4月1日)から労働施策総合推進法が改正され、職場におけるパワハラ防止のために、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。雇用管理上必要な措置とは、トップの明確なメッセージの発信、ルールの明確化、実態把握、教育知識の習得、社内周知・啓発、相談体制の整備、再発防止のための取り組みです。
これらの措置に取り組むことは、法順守だけでなく、企業のリスクマネジメントにも効果が期待できますが、それだけでパワハラがなくなるのでしょうか?
パワハラ防止の「Big-Why」(真の目的)は、形式的に雇用管理措置に取り組むことではないはずです。
パワハラ防止の「Big-Why」(真の目的)を認識
貴社のパワハラ防止の「Big-Why」(真の目的)は何でしょうか?
職場で発生するパワハラを放置していると、従業員の仕事への意欲や自信を喪失させる等職場環境が悪化し、生産性低下の要因になります。
ハラスメント問題が発生している状況は、ハインリッヒの法則(氷山モデル)で例えると顕在化されている問題は1割で、見えていないが潜在化している問題が9割あると考えるべきです。
顕在化問題(現象)
・パワハラ、ミス、退職
潜在化問題(本質的要因)
・職場環境、人間関係、多様な価値観
・労働条件、評価
見えていない水面下の部分には、職場環境、人間関係、多様な価値観、労働条件、評価等の根本的要因が隠れています。
パワハラを防止するためには、形式的な雇用管理措置だけでなく、本質的要因を解消することを「Big-Why」(真の目的)として認識し、働くすべての人が活き活きと働ける職場をつくる取り組みをすることではないでしょうか。
パワハラ防止対策は、法律と心理の専門家との伴走が効果的
職場では、パワハラ、セクハラ、マタハラ、カスハラ等様々な「いじめ・いやがらせ」があります。
社労士は、多くの種類のハラスメントへの対処だけでなく若年者・女性・シニア・外国人等の多様な価値観を持つ人材が働く職場での環境改善にも対処しています。
また、ハラスメントが複合している例や、パワハラの6類型には当てはまらないけれど、退職者が続出して職場が崩壊してしまった事例等への対処経験もあります。
職場のハラスメントは、個人間の問題ではなく、組織として対応すべき重要な問題です。
私たちは、社労士として、労働諸法令及びハラスメントの裁判例に精通しています。加えて、コミュニケーション研修だけでなく、長時間労働等の見直し、評価制度等への改善もご提案できます。また、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントとして、パワハラ防止指針にある「相談者の心身の状況や言動が行われた際の受け止めなどその認識への配慮」をしながら、その発生の防止、ハラスメントに該当するか否か微妙な場合などへの相談も広く対応し、適切な対応をする能力があります。
法律の専門知識と心への専門知識があり、多くの事案の対処経験のあるSRCハラスメント防止センターのコンサルタントにお気軽にご相談ください。
このコラムは、2022年1月20日配信のメルマガに掲載されたものです。
著者:SRCハラスメント防止コンサルタント 沼田博子
大阪府出身。関西大学大学院商学研究科卒
流通業、人材派遣業を経て社会保険労務士として開業
1996年 社会保険労務士事務所 開業
2001年 有限会社マンパワーマネジメントシステムズ設立 取締役就任
2015年 一般社団法人SRストレスチェック支援センター
(現、未来のワークデザイン研究所)設立 代表理事 就任
2016年~2020年 関西大学会計専門職大学院 非常勤講師
2017年 社会保険労務士法人ハーネスに組織改編 代表就任
保有資格
特定社会保険労務士、シニア産業カウンセラー、ハラスメント防止コンサルタント、キャリアコンサルタント、アンガ―マネジメントファシリテーター、
アンコンシャスバイアス認定トレーナー、プロティアン認定ファシリテーター
衛生工学衛生管理者、公認不正検査士、リフレクションカード・トレーニングプロ
主な業務内容
・労務相談
・心と身体の健康管理(メンタルヘルス・ハラスメント対応含む)
・多様な働き方制度設計(週休3日制、短時間正社員、テレワーク、再雇用制度)
・両立支援(育児・介護・疾病等)のための人事制度構築
・賃金・人事評価制度見直し(ジョブ型、同一労働同一賃金対応)
・高齢者活用(キャリアデザイン研修)
“パワハラ防止対策に不可欠な「Big-Why」(真の目的)を探すには” に対して1件のコメントがあります。