ハラスメント防止に効果的! “いきいき職場づくりワークショップ”

表題のセミナーが2023年8月3日に開催されました。

参加者が全員社労士だったので、「社労士としてどのように取り組むか」という視点で説明・進行がされ、実務に直結した内容でした。

ハラスメントの防止のためには、コミュニケーションの改善のみが言われがちですが、それを含めて、もっと大きく職場環境を改善しようという方向性は、社労士として、関わる部分が大きいやり方です。

ワークショップもそれぞれの背景が異なる中、さまざまな意見が出て盛り上がりました。

受講者のみなさまのご感想

具体的なカードの内容があるので、ゼロから考えるよりも、考えやすい。
カードの4つの色分け(仕事の進め方/オフィス職場環境/職場の人間関係・相互支援/安心できる職場のしくみ)があることで、気付きが得やすくなっている。

なにか改善したいと思っていても、どこから手をつけていいかわからない職場は多いと思うが、具体的な内容がカードに書いてあることで取り組みやすくなるのではないか。
文字だけでなく、写真やイラストを入れるのも、職場の雰囲気によってはとても効果的だと思う。
そんなふうに、職場に応じて、活用のしかたを工夫して関わっていくのもおもしろそうだ。

「職場のよいところ」をまず共有するというのが、いちばんいいと思った。
できていることを認め合うと、その後の話の活性化につながる。
「うちの会社のこういうところがよくない」と後ろ向きのことばかりやっていると、雰囲気も暗くなってしまう。
最初に笑顔が出た後に議論すると、脳も活性化し、いろんな意見が出やすくなるというのが、ポイントだと思う。

小さい事業所では、自分の会社について不満を言うことはあっても、いいところを見たり改善しようという方向にあまりいかない。
このようにカードに具体的な内容があって、いいところが書いてあると、そのような事業所でも取組みやすくなると思う。

最初は「いきいき職場づくり」というのがあまりピンとこなかったのだが、実際にカードを使ったり、クラウド上のファイルをみんなで操作したりしてみると、やり方がわかった。
講師の事務所の実際の例が写真つきで出ていて、ほんわりして楽しかった。わたしも自分でやるときは、自分の例を出してみたいと思う。

「いきいき職場づくり」は、昨年会社でストレスチェックをやった後に、保健師さんから「こういうのあるよ」と紹介してもらい、実際に取り組んだ部署もあり、関心をもっていたタイミングだったのでよかった。
新しくなったホームページもとてもよいと思った。
楽しく体験できた。

プログラム

  1. 仕事のストレスとハラスメント~なぜストレス対策が必要か~・ハラスメントの起きる職場の特徴

   ・ ハラスメントにつながるストレスの原因と影響を理解する
   ・メンタルへルスとハラスメントの関係

2.心の健康づくりに役立つ職場環境の捉え方

   ・4つの領域と具体的な改善視点
   ・効果的な改善計画の作成

3.カードを使った“いきいき職場づくりワークショップ”

   ・良好事例を共有しよう
   ・チェックリストで個人ワーク
   ・グループ討議(職場の良い点、悪い点)
   ・グループ討議(改善計画の作成)

4.発表

5.振り返り

講師より

ハラスメント防止には、言葉だけでなく、職場環境全体から不満や不安をなくしていく必要があります。

全員参加型研修は、今から38年前「東南アジアの中小製造業」で始まった手法です。

「仲間の知恵、グッドプラクティスに学べ!」

とチェックリストを作成して、そのチェックリストをもって現場を視察し、労使がその場で討議をして、改善策を決めていくものです。

ISOも推奨し、「参加型改善」と呼ばれて評判になりました。「参加型改善」手法は世界へ広まり、日本に「逆輸入」されるまでになったのです。

「参加型改善」の特徴は、次の4つです。

  1. ポジティブ視点でまわりのグッドプラクティスに学べ
  2. 環境・作業編成・福利設備など、多面対策
  3. 労使の直接対話ですぐに改善策を決め、アクションへ
  4. 改善策は低コスト中心、有効な改善策はすぐにシェア

「生産性が向上する!」素晴らしい取組です。

大事なポイントは、第三者のファシリテーターが入ること。

社労士のハラスメント防止支援として、労働契約法、安全衛生法の話も交えながら説明させていただきました。

講師 沼田 博子

(SRCハラスメント防止センター 共同代表)
(社会保険労務士法人ハーネス代表 特定社会保険労務士)

  • 特定社会保険労務士、ハラスメント防止コンサルタント、シニア産業カウンセラー、キャリアコンサルティング、衛生工学衛生管理者、公認不正検査士
  • 労働法と心理の面から、実践的に企業のハラスメント防止対策に取り組んでいる。
  • 第18回日本産業カウンセリング学会金沢大会「メンタルヘルス不全を発生させない職場作りとは ―裁判例から学ぶハラスメント対策―」等、学会発表等多数。企業にとって重要課題であるパワーハラスメント対策について、裁判例をもとに発生状況・管理体制、発生後の対応等を分析し、未然防止策を探る。
  • 奈良県庁、近畿農政局、寝屋川市、狭山市等行政への研修、その他企業研修、パワハラ防止体制の整備支援多数実績あり。

(文責 李)

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